に、猿の鍵?」
 司令官は、その大きな鍵を手にとって、ふしぎそうにながめ、
「第二に、この鍵が怪しいとは」
「そうです、博士邸の一番おくにある秘密室は、その鍵であいたのです。ところが、その猿の鍵は、怪塔王が大事にしてもっている鍵なのです。あの怪塔の入口をあけるのは、やはりこの鍵でないとだめなのです」
 と、一彦は自分の信じているところをすらすらとのべました。
「で、それがどうしたというのかね」
「はい、司令官閣下。僕が今あげたように、怪塔と博士邸とは、たいへん似たところがあるのです。ですから、怪塔王と大利根博士とは――」と、ちょっと言葉をとどめ、「同じ仲間ではないかとおもうのです」
「えっ、怪塔王と大利根博士とが、同じ仲間だというのか。それはどうもとっぴな答だ。あっはっはっ」
 司令官は、思わず笑いました。
「でも、そうとしか考えられませんもの」
「しかしだ、一彦君。博士は、われわれの尊敬している国宝的学者だし、それにひきかえ怪塔王は、わが海軍に仇《あだ》をなす憎むべき敵である。その二人が同じ仲間とは、ちと考えすぎではあるまいか」
「でも、そうとしか考えられませんもの」
 一彦少年は、
前へ 次へ
全352ページ中228ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング