」
「ところが、ここに居ります一彦少年は、私とちがった考をもっております。少年の口から、ぜひおききをねがいたいのであります」
塩田大尉は、かたわらに腰をかけている一彦の方をふりかえった。
「なに、この少年がちがった考をもっているというのか。それはぜひ聞かせてもらおう」
司令官も、一彦が帆村探偵の甥《おい》であることは、よく知っていました。この少年が、なにをいいだすやらと、急に顔をにこにこさせて一彦をながめました。
「僕は、大利根博士がたいへん怪しい人物だと思います。なぜといえば、博士邸には怪しいことだらけです」
「怪しいことだらけとは――」
「まず第一に、博士の実験室がエレベーターのように上下に動きます。これと似た仕掛が、怪塔の中にもありましたよ。帆村おじさんと僕とは、その仕掛のために、檻《おり》の中に入れられて、一階下へ落されたことがありました」
「怪しいことがあるなら、どんどんいってごらんなさい」
司令官は、熱心な面持で、一彦をせきたてるようにいいました。
「第二は、この猿の鍵です」
一彦は、ちゃりんと音をさせて、テーブルの上に大きな鍵を出しました。
3
「な
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