大利根博士邸のことを報告しているところなのです。
司令官はじめ幕僚は、塩田大尉の報告があまりに怪奇なので、目をみはったり、首をふったり、拳《こぶし》をかためたりして、おどろいています。
「その縞ズボンは、たしかに大利根博士の物にちがいないのだね」
司令官は、念をおしました。
「はい、塩田はかたくそう信じております」
「それで、大利根博士は、その後どうしたというのか」
「博士は、この血ぞめの縞ズボンを残したまま、どこかへいってしまったようです。私どもは、かなりくわしく秘密室をしらべましたが、とうとう博士の姿をみつけることができませんでした」
2
「博士のありかがわからないうちは、なんともいえないが、どうやら博士は、怪塔王一味に襲われたと思われるが、それはどう思う」
司令官池上少将は、塩田大尉にたずねました。
「塩田も、司令官閣下のおっしゃるところと同じ考《かんがえ》であります。大利根博士は、新しい学問をしている国宝的学者です。怪塔王にとっては、それがずいぶん邪魔であることと思います。それで襲撃しまして、博士を殺したのではないでしょうか」
「まず、そんなところであろうな
前へ
次へ
全352ページ中226ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング