あの怪塔王が海辺におとしていった鍵なんです。僕はその鍵を型にして別の鍵をつくって持っていますよ、怪塔の入口も、その鍵であいたのです」
「そうか。ふうむ、それはたいへんな鍵だ。一彦君は、今それを持っているのかね」
塩田大尉は、息をはずませて、ききかえしました。
「持っていますとも。僕はそれをお守のようにしていつもポケットの中に入れているんです」
といって、少年はポケットをさぐって、鍵をとりだしました。それは銅びかりのした大きな鍵で、なるほど握りのところが猿の顔になっているものでありました。
「おお、なるほどこれは見事な鍵だ。では、はまるかどうか、さっそくはめてみようではないか」
塩田大尉は少年からその鍵をうけとって、隅の鍵穴にあててみました。すると鍵は、うまく穴の中にするするとはいりました。
4
猿の鍵は、ついにするすると鍵穴にはいったのです。さあ、この大利根博士の地下秘密室に、これからどんなことがはじまるのでしょうか。
塩田大尉と一彦少年とは、鍵穴の前にかがんで、ちょっと一息つきました。
「うまく鍵がはいりましたが、鍵をまわしてみましょうか」
「うん、うまくはい
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