に、変なかたちをした木がうつりました。
「ああ、あれは椰子《やし》の木に見えるが、こんなところにどうして椰子の木が生えているのかなあ」
兵曹長には、何が何だかわからなくなりました。
「うーむ――」
と一こえ叫んだまま、彼はそのまま崩れるように座席にへたばってしまいました。
椰子の木のある海辺は、どこだったでしょうか。
大利根博士邸
1
ここで話はすこし前にさかのぼります。
場所は、大利根博士の邸内です。
みなさんおなじみの塩田大尉と、それから元気のいい一彦少年とがしきりと、怪しい博士の室内をさがしまわっています。
二人とも、帆村探偵がわざわざ注意して来た言葉にしたがい、博士邸の謎を早く解かねばならぬとおもっています。
一体大利根博士と怪塔王との間には、どんな関係があるのでしょうか。そしてあの天馬|空《くう》を行くような怪塔ロケットは、なぜあのようなおそろしい新科学兵器を持っているのでしょうか。そしてこれから何をしようと言うのでしょうか。この重大な秘密はいつになれば解けるのでしょうか。
われわれはいましばらくこのままに、塩田大尉や一彦少年や、
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