にも、手がとどきません。
小浜兵曹長は、綱にぶらさがったまま、歯をくいしばって残念がっています。
「うふふ、ざまをみろ!」
と、怪塔王は、いい気持そうに窓から指さししてわらっています。なんというにくらしい奴でしょう。
ごくん! 綱がすこしゆるんで、変なひびきが、その上をつたわって来ました。――と思うまもなく怪塔ロケットと青江機とをつないでいたこの綱は、ついにぷつんと焼けきれてしまいました。ああ!
4
さあたいへん! 怪塔ロケットと青江機とをつないでいた綱が、とうとう焼けきれたのです。
「あっ、綱が切れた!」
「ああっ、しまった!」
と、さけぶ小浜兵曹長と青江三空曹。
と、綱の端は怪塔から離れ、二人の軍人をぶらさげたまま、空中を大きくゆれて下へ。――
なんという恐しいことでしょう。
二人の軍人をぶらさげた長い綱は、まるで掛時計のふりこのように、ぶうんと反対の方へふりつけられます。
あっ、あぶない。
――と思う間もなく、飛行機は上に、綱は一たび垂直にさがりましたが、いきおいあまって、ひゅうっと綱がもちあがった。
「あっ、いたいいたい。腕が折れる!」
青江
前へ
次へ
全352ページ中194ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング