の勇ましいはたらきにより、その一歩手前で服についた火は消されたのであります。
これが空中に綱がぶらさがっているだけのことなら、まだやりやすかったかも知れませんが、なにしろその綱が、怪塔ロケットと青江機との間にはりわたされてある綱で、ぶんぶん、しゅうしゅうと空中をとんでいながらの離れ業ですから、よくまあそんなことができたものだとおどろかされます。
火は消されましたが、青江三空曹は、さすがにすこし元気をうしないました。服についた火で、じりじり体をやかれ、どんなにか苦しかったことでしょう。
小浜兵曹長は、はやくもこれを見てとって心配になりました。なにしろおそろしい風が、こうして綱にさがっている二人の体をもぎとりそうに吹きつけるのですから、その苦しさったらありません。
「青江、しっかりしろ。怪塔王は、こっちをにらんでいるぞ」
小浜兵曹長は、しきりに青江をはげましています。
ところが、もう一つ心配なことが、いよいよ心配になって来ました。それは、怪塔ロケットの舵《かじ》のうえをしばっているこの綱の輪になっているところです。これはしきりに風にあおられ、炎々と燃えていましたが、その火を消そう
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