こうして手をこまぬいて見ているなんて、なさけないことだなあ」
と、小浜兵曹長は歯をばりばりかんで、ざんねんがっています。
「小浜兵曹長」
青江三空曹がよびかけました。
「なんだ、青江」
「ぜひお許しねがいたいことがあります」
「なんだ、なにを許せというんだ」
「それは、つまり――あの麻綱をつたって、怪塔ロケットの中へとびこもうというのです」
「ええっ、なんだって。麻綱をつたっていって、あの怪塔を拿捕《だほ》するというのか。貴様、えらいことを考えだしたな、ううむ」
さすがの勇猛兵曹長も、若い青江三空曹の考えだしたおどろくべき怪塔占領の計画にはびっくりして、ううむとうなりました。
「よし、では青江。綱わたりをやってよろしい」
「おお、お許しが出ましたか。私はうれしいです」
「うん、大胆にやれ、あせっちゃいかん」
「麻綱はさかんに燃えだしました。では、すぐ綱にとりついてのぼります」
若武者青江三空曹は、バンドをはずすと、席をとびだしました。そしてあっという間もなく、青江機と怪塔ロケットをつなぐ麻綱に、ひらりととびつきました。
2
青江三空曹の、空中の冒険がはじまりまし
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