ットの飛行をさまたげられ、なんという意地のわるいやつだろうと舌うちをしているところへ、このような綱がぐるっとロケットの胴中をしばってしまいました。そして大事な舵の上をその綱がおさえてしまったのですから、ますますロケットの飛行はくるしくなりました。これでは、ちょうど歩いている人間の両腕、両脚をしばってしまったようなもので、走るに走れず歩くことさえなかなか大骨折です。
だが、なんという乱暴な、そしてなんという思いきった青江機のやり方でしょう。
いま青江機は、まったくエンジンをとめました。ですから、ロケットにひっぱられて、まるで大きい船のうしろに綱でむすびつけられている伝馬船《てんません》のように、ロケットの飛ぶまにまに、あとからついていきます。
「ちぇっ、あんなことをして、ぶらさがっていやがる」
怪塔王は、窓の外の光景を、テレビジョンで見ながら、いくども大きな舌うちをいたしました。
「こうしていては、いつまでたっても、思うところまで逃げられやしない。なんとかしてあの飛行機をぶっつぶす方法はあるまいか」
怪塔王は、けわしい目をぎょろりと光らせて、映写幕にうつる宙ぶらりんの青江機を、い
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