づけていきました。
 たてつづけの宙がえりに、さすがの二勇士も、このときはげしい頭痛を感じるようになりました。これ以上、あまり宙がえりをつづけると、気がとおくなり、やがては死んでしまうおそれがあります。しかし青江三空曹は、あくまで精神力でもって、そうなるのをくいとめています。
「ああもうすこしだ」
 と、小浜兵曹長が思わず口走った刹那、錨はうまく綱をひっかけました。青江三空曹のお手柄です。
 綱は錨にひっかかったまま、するするとすべりましたので、綱の輪は小さくしぼられていきます。さあこれからどうなるのか。


   遂に現る



     1

 錨にひっかかった綱は、するするとすべって、たくみに怪塔ロケットの胴をしめつけてしまいました。
 綱はいま怪塔ロケットの舵《かじ》の上からぎゅっとおさえています。
 青江機は、そのながい綱のさきにぶらさがっています。
「エンジン、とめ!」
 と、小浜兵曹長は号令をかけました。
 エンジンをとめろというのです。ここでエンジンをとめると、どういうことになるか。
 とにかくおどろいたのは怪塔王です。
 飛行機に追いこされ、それから先まわりされてロケ
前へ 次へ
全352ページ中172ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング