空中にうつくしい大きな曲線をえがいて、怪塔ロケットにせまりました。
 怪塔ロケットは、わが偵察機ににらみすくめられたようになって、その銀いろの巨体を、ぶるぶるとふるわせました。
 青江三空曹は、ここぞとたくみな操縦ぶりをみせて、怪塔ロケットのまわりを、上になり、下になりぐるぐるとまわるのでありました。
 錨のついた長い麻縄は、だんだん輪のようにまるくなりました。
 小浜兵曹長は、麻縄をありったけのばしました。
 錨はだんだんあとにおくれて、やがて偵察機の正面に来ました。
 麻綱をのばすと、その錨はまたさらに偵察機に近づきました。
「青江三空曹、もっと小さくまわれ。そして錨のさきに、こっちの麻綱をひっかけろ!」
 と小浜兵曹長は叫びました。
「えっ、錨にこっちの麻綱をひっかけるのですか」
 青江三空曹は、自分の耳をうたがうように聞きかえしました。

     5

 青江機があとにひっぱる錨づきの麻綱が、怪塔ロケットのまわりを環のようにとりまくと、小浜兵曹長は、錨のさきに、こっちの麻綱をひっかけろと命令したのです。
 ものに動じない青江三空曹も、このかわった命令には驚きのいろをかくすこと
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