であろうかと目玉をくるくる。
 そのうちにも錨綱は、不思議なゆれかたをして、空中を大蛇のようにのたうちます。
 おどろいたのは怪塔王です。あぶなくて、ロケットを飛ばしていられません。
 繰縦をやっている三人の黒人を叱《しか》りつけ、やれもっと左へ避けろだの、やれもっと高くあがれだの、体中汗びっしょりになって号令をかけています。が、怪塔ロケットはだんだん空中にすくんで来ました。

     4

 怪塔ロケットが宙ぶらりんにすすみだしたと見て小浜兵曹長は、
「おお、今だ!」
 と、さけんだのでありました。
 なにが今だというのでありましょうか。
 そのとき小浜兵曹長は、青江三空曹にむかって風変りな命令を発しました。
「おい、青江、怪塔ロケットの周囲を連続宙がえり!」
 連続宙がえりとは、たいへんな命令です。しかも怪塔ロケットの周囲をぐるぐるまわれというのですから、これはなかなかむずかしい。このへんが、操縦士のうでまえの見せどころであります。
「怪塔ロケットの周囲を連続宙がえり、始めまぁす」
 と、復唱するなり、青江三空曹は桿《かん》をぐっとひいた。すると、青江機はぐっと機首をあげるなり、
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