ロケットはまたスピードをおとしました。そしてやっとすれすれに、青江機のたらしている麻綱のそばをすりぬけました。
「はっ、はっ、はっ、怪塔ロケットもそろそろ困って来たようだ。こうなるとあぶなくて、スピードが出せないというのだろう。むりもない、もともと怪塔ロケットは、舵が半分ほど利かなくなっているのだからな」
さきに小浜兵曹長は、体あたり戦術でもって怪塔ロケットの舵を半分ほどこわしておきました。それからこっち怪塔ロケットは、思うようにまっすぐ飛べなくなっていました。まっすぐ飛ぼうと思うと、ぐるぐるまわりをしたり、下りようとすると、ロケットの首が上にあがったり、酔っぱらいが自動車を運転しているのとおなじです。これには怪塔王もどんなにか困っていました。
そこへ今、錨をぶらさげた麻綱がとんでもないときに鼻さきへぬっとあらわれるので、ますますロケットは飛びにくくなって来ました。スピードを落しておかないと、急に方向をかえることができません。
3
怪塔ロケットは、そろそろ目がまわりだしたように見えました。
しかし追撃中の小浜兵曹長は、まだまだそんなことで手をゆるめるつもりはありま
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