しいので、結局青江三空曹もこの計画にしたがうことにしました。
「じゃあ頼むよ。このうえは、貴様の操縦術にたよるほかないのだ。しっかりやれ」
 と小浜兵曹長がはげまします。
「だ、大丈夫です。私は、死んでもがんばるつもりなのです。さあどうか錨をおろしてください」
 青江三空曹はりっぱにひきうけました。
 そこで小浜兵曹長は、錨を先につけた綱を、そろそろと機体の外におろしはじめました。

     2

 天空たかく逃げのびようとする怪塔ロケットです!
 逃がしてはなるものかと、青江機は猛追撃をしています。
 偵察席にいる小浜兵曹長は、ありったけのちえをしぼって、錨のついた麻綱をまずおろしました。
 麻綱はながくながくのびていきます。その先についている錨のおもさで、麻綱はぶらんぶらんとゆれています。そして錨はだんだんとはげしく振れていきます。
「おお、右旋回だ!」
 小浜兵曹長が、伝声管の中にさけびますと、
「はい、右旋回!」
 青江三空曹は舵《かじ》をひきました。すると飛行機は翼をかたむけるとみるまに、みごとに右へぐるりとまわっていきます。
 怪塔ロケットのお先へまわったのです。
 怪塔
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