三十分がんばれ!
怪塔ロケットを追う青江機の上で、偵察士の小浜兵曹長は歯がみをしました。
青江三空曹の、人間わざとは見えないがんばりぶりにもかかわらず、エンジンの調子は、重病人の眼のようにわるくなるのでありました。
(怪塔ロケットにせっかく追いついたのに、このままでは、ぐんぐん遅れてひきはなされてしまう)
どうにかして、あくまで怪塔ロケットにおいすがっていきたいものだと思った小浜兵曹長は、いろいろあたまをひねって、計略をかんがえました。
そのときに小浜兵曹長のあたまにうかんだことがありました。それは、愛機に積んでいる長い綱のことでありました。これは救助作業のときにつかうもので、どの軍艦も持っている丈夫な麻綱でありました。
兵曹長は、その綱の一番端に鋼鉄でつくってある錨《いかり》をむすびつけました。その錨は、西瓜《すいか》ぐらいの小型のものでありました。
兵曹長は、それをつくりあげると、青江三空曹に彼のすばらしい計画をうちあけました。青江三空曹は、まったくおどろきました。しかし只今のところこうした試みでもしないかぎり怪塔ロケットのごく近くに三十分間もくっついていることはむずか
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