切った窓のようなものが三つばかり明いていて、その奥の幕に白い霧がうごいているところがうつっていました。これは怪塔王がつくった塔の外の景色をながめるテレビジョンの望遠幕です。
 おお、飛行機!
 とつぜん、そのテレビジョン望遠幕の上に、一台の飛行機の姿があらわれました。
 どこの飛行機でしょうか。
 いや、たずねるまでもありません。翼と胴とに日の丸がついているから、誰にでもすぐわかるとおりわが海軍機です。
 それより前、怪塔ロケットが海面からとびだすと、手ぐすねひいてまっていたわが監視飛行隊は、みなでもって十七機、すぐさまロケットのあとをおいかけたのですが、なにぶんにも霧が深いのと、怪塔ロケットがはやいので、だんだん姿を見うしない、せっかくの追跡もだめになったかとおもわれました。
 ところがただ一機、最後までがんばっているのがありました、いま怪塔王が見ているテレビジョン望遠幕にうつりだした一機が、そのがんばり飛行機なのでありました。
 この飛行機は、青江《あおえ》三等航空兵曹――略して青江三空曹が操縦している偵察機でありました。同乗の偵察下士は、例の小浜兵曹長でありました。
「おい、そん
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