されてしまったのです。怪塔王は、そこではじめてほっと息をつきました。
「う、ふふふふ。さあ、これでいいぞ。これですべて、元のとおりになった。やっぱりわしは、大科学王だ。天下に誰ひとりおそれる者はないのだ」
そういっているときに、ぴしんと大きなもの音がしました。配電盤の上についている一つのメートルの針が、ぐるぐるとまわりはじめました。それにつづいて、警鈴《けいれい》が、けたたましく鳴りだしました。
「ありゃありゃ」
「うう、ありゃありゃ」
黒い円筒のふたが、内側からぽんとはねて、黒人の顔が三つ、ぬっと出ました。三人とも、生きている顔色とてもなく、ぶるぶるふるえて、室内をみまわしています。
怪塔王も腰をぬかさんばかりにびっくりして、
「おや、とうとう始ったかな。――」
と、配電盤の前にかけつけるなり、大きなハンドルに手をかけ、力をいれてううんとハンドルを廻しました。それは、強い酸性の薬をはきだす口がひらかれたのです。
ぴしんという音は、たしかに海水が怪塔のガスの原料室の一つにしみこみ、大切な原料をおかしはじめたもの音らしいです。それがだんだんすすむと、やがてはおそろしい大爆発とな
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