りなさるにはあたりません。なぜなら、この勇ましい帆村探偵や、えらい塩田大尉や、また小さいながらなかなかかしこい一彦少年やミチ子などが、がんばっているかぎり、いつかはマスクの下の怪塔王の素顔をひんむくときが来ることでしょう。それは一体いつのことでしょうか、あばれまわる怪塔王の秘密は、一つの事件ごとに、だんだんと身のまわりをせばめていくではありませんか。すると、怪塔王の正体がわかるのもあまり長い先のことではありますまい。
さて、怪塔王はマスクをかぶって、すっかり元の怪塔王になりました。
帆村探偵がこれを知ったら、おどりかかっていくでしょうに、彼はまだ夢心地で床の上にたおれています。
「う、ふふふふ」と怪塔王はあざ笑い、「すぐ殺してもいいのだけれど、今はなりよりもこの塔ロケットを海中からうきあがらせる方が大事だから、殺しているひまはない。そうだ、また一時こいつを縛《しば》ってうごけないようにしておこう」
怪塔王は長い綱をとり出すと、すばやく帆村の体をぐるぐると巻いてしまいました。
危い怪塔
1
怪塔王のため、ついに帆村探偵は、体を荒縄でもってぐるぐるまきに
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