なだれ、
「よろしゅうございます。こうなってはあなたさまのおっしゃるとおり、なんでもいたします。私としては、この海底から一刻もはやくのがれたいのです。私の一番こわいのは、海面にうきあがる以前に、この塔ロケットが爆発しやしないかということです」
「水中に永くいると、なぜ爆発するのかね」
ロケットが海中に永くつかっていると爆発すると怪塔王はおそれていますが、帆村はなぜ爆発がおこるのかわけをしらないので、ただ不思議でありました。
「それは、ロケットをうごかす噴出ガスの原料であるところの薬品に、塩からい海水がしみこむと、だんだん熱してきて、おそろしい爆発がおこるのです」
「じゃあ、海水のはいらないようにしておけばいいのに」
「そうはいきません。どうしても金属壁の隙間《すきま》から浸みこんで来ます。さあ、帆村さん、はやくマスクをかえしてください」
「うん、マスクはここにある」
といって、帆村はようやく怪塔王のマスクをさしだしました。
「ああ、私は手をしばられているから、マスクをかぶれやしません。紐《ひも》をほどいてください。ああ、手がいたい」
4
怪塔王にマスクをかえしてやっ
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