され、いろいろとおそろしい武器をつかって暴れられてはたまらない。それよりもここは、怪塔王の気づかないうちに、怪塔王が困るようなことをやっておこう。そういう考え方で、帆村はマスクをにぎったまま、その辺にあるいろいろな仕掛などを、できるだけ壊したり外したりしておいたのです。そしてマスクをもって階下におり、鏡の前で怪塔王のマスクをかぶりました。
 帆村はすっかり自分を怪塔王に変えてしまったこの巧妙なマスクに、改めておどろきの声を出しました。

     3

 さても巧妙にできているマスク! 首全体をつつむようにできている最新式の怪マスク!
 そのマスクの顔は、世にもおそるべき破壊力の持ちぬしである怪塔王の顔だ!
 さていま、帆村探偵は、その怪マスクを手にして覆面《ふくめん》の怪塔王とむかいあっているのです。その怪塔王は、あわれにも帆村のため、両手をうしろにしばられ、手をつかうことができなくなっています。
「さあ、このマスクは一たん貴様にかえしてやるぞ。その代り、こんどは僕のいいつけをきいて、怪塔を横須賀方面へとばせるのだ。いいか」
 と、帆村探偵が勝ちほこっていえば、覆面の怪塔王は力なくう
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