してしまったかたちです。彼の両手は、うしろにまわされ、しっかりとしばられてしまいました。
「さあ、君の言うとおりになったから、はやく約束どおり、君が盗んでいったものを返してくれい」
 と、『声』の怪塔王はさいそくしました。
「うむ、約束はかならず果すよ。しかしその前に、貴様の体を念いりにしらべておかねば、あぶなくて安心していられない」
「なに、体をしらべるって。ちぇっ、そんな約束をしたおぼえはない」
 と、『声』の怪塔王は、あわてました。
「ばかなことをいうな。僕の方こそ、貴様の体をしらべない約束なんかしなかったぞ。それがいやなら、やはり怪塔の爆発するのを待つことにするか」
「いや、いや、いや。それはいかん。怪塔が爆発すれば、こっちの命がない。まあ仕方がない。なんでもしらべろ」
「それみろ、余計な手間をとらせやがる」
 そういって、『顔』の怪塔王は、『声』の怪塔王の後によると、彼の体を上から下まで、念入りに調べていきました。
 すると果して、『声』の怪塔王の服の下にはたまを近よせない怪力線網がかくされていました。またその怪力線網に磁力をとおす電源もみつかりました。さっそく、そのようなあ
前へ 次へ
全352ページ中139ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング