う一度、よんでみてはどうです」
「そうだね。じゃもう一度、声をかけよう」
塩田大尉は、また声をはりあげて扉にむかって博士の名をよびました。
すると、室内からは返事がありました。
「ああ、ああ、うるさい。わしは研究中だ。誰がきても会わんぞ。今日はだめだめ。帰ってくれ」
一彦はそれを聞いて、この調子ではとても博士は会ってくれないだろうとおもいました。
塩田大尉はと見ますと、どうしたものか顔を真赤にしています。
「大尉、どうしたのです」
大尉はこれに答えようともせず、何をおもったものか、ポケットから手帳と鉛筆とをとりだしました。そして扉の方をにらみすえるようにして、三たび博士の名をよびました。
すると室内からの返事が、きこえてきました。
「ああ、ああ、うるさい。わしは研究中だ。誰がきても会わんぞ。今日はだめだめ。帰ってくれ」
一彦が見ると、大尉は一生けんめいになにか筆記をしています。
意外な仕掛《しかけ》
1
「塩田大尉、そんなところで、なにを書いているんですか」
一彦は、いぶかってたずねました。
「おう、これだ。うーむ」
と、大尉は大利根博士の
前へ
次へ
全352ページ中126ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング