う一度、よんでみてはどうです」
「そうだね。じゃもう一度、声をかけよう」
 塩田大尉は、また声をはりあげて扉にむかって博士の名をよびました。
 すると、室内からは返事がありました。
「ああ、ああ、うるさい。わしは研究中だ。誰がきても会わんぞ。今日はだめだめ。帰ってくれ」
 一彦はそれを聞いて、この調子ではとても博士は会ってくれないだろうとおもいました。
 塩田大尉はと見ますと、どうしたものか顔を真赤にしています。
「大尉、どうしたのです」
 大尉はこれに答えようともせず、何をおもったものか、ポケットから手帳と鉛筆とをとりだしました。そして扉の方をにらみすえるようにして、三たび博士の名をよびました。
 すると室内からの返事が、きこえてきました。
「ああ、ああ、うるさい。わしは研究中だ。誰がきても会わんぞ。今日はだめだめ。帰ってくれ」
 一彦が見ると、大尉は一生けんめいになにか筆記をしています。


   意外な仕掛《しかけ》



     1

「塩田大尉、そんなところで、なにを書いているんですか」
 一彦は、いぶかってたずねました。
「おう、これだ。うーむ」
 と、大尉は大利根博士の
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