「さあ、向こうのつきあたりが、博士の居間なんだ。万事あそこへいけばわかる」
4
大利根博士の部屋の前へ来ました。
くらい廊下のつきあたりに、重い扉がぴったりしまっています。
塩田大尉と一彦少年とは、その扉の前に立ちました。
「博士はいるでしょうか」
と、一彦は、そっと塩田大尉にたずねました。
「さあ、どうだか」
といいながら、大尉は扉をことこととノックしました。
部屋のなかからは、なんの答もありません。
大尉は、つづけてことことと扉を叩きました。けれども、扉の向こうからは、やはりなんの返事もありません。
「博士は留守なんですかねえ」
「ふうん、どうだかなあ」
塩田大尉は首をちょっとかしげました。
博士は有名な人ぎらいであることを考えてみますと、本当に留守なのかどうかわかりません。そこで大尉は決心して、扉の前で大声をはりあげました。
「ああ、もしもし、大利根博士!」
部屋の中は、あいかわらずしんかんとしています。
大尉は、さらに声をはげまして、
「ああもしもし、大利根博士! 私は塩田大尉です。急用ですからちょっとここをあけてください」
それでもまだ
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