、怪塔にとじこめられていたあいだのこまかい話は、それからそれへと、なかなかつきませんでした。
 怪塔から発せられたあの無線電信は、やはり帆村探偵が出したものであることがわかりました。どうしてまた無線電信機を手に入れたのかと、大尉はびっくり顔でありましたが、一彦の語るところによると、帆村は一階のあのがらくた倉庫の中から、一つの壊れたラジオ受信機をさがし出し、その配線をかえて短波の送信機になおし、幸《さいわい》に切れていなかった真空管と電池があったので、あの通り送信がやれたのだそうです。

     5

「ぜひ、大利根博士に会ってくれ!」
 一彦がもってかえった帆村探偵の言伝《ことづて》は、塩田大尉の胸をたいへんいためました。
 そういう急ぎの用事なら、なぜ怪塔の中から無線電信で打って来なかったのであろうかと、大尉はふしぎに思っているのです。怪塔の外へ出したけれど、はたしていつ大尉に会えるやらわからない一彦に、この重大なことがらを、言葉で伝えさせようとした帆村探偵の心には、なにかわけがありそうです。
 塩田大尉は考えた末、無線電信などでこのことを空中に発すると、それが大利根博士に知れて具
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