れだけかい。帆村君からの言づてはほかになかったかい」
「いや、一つ重大な言づてがありますよ」
4
「なに、帆村君からの重大な言づてって、どんなことだい」
と、塩田大尉は一彦の手をしっかりと握って、聞きかえしました。
「それはね――」
と、一彦はしばらく目をとじて、じっと考えていました。この言づてはよほど重大なことでありましたから、、帆村からいわれたとおりまちがいなく大尉に伝えねばならぬと大事をとっていたのです。
「そうだ、帆村おじさんはこういってましたよ」
「ふむ――」
と塩田大尉はかたくなって聞いています。
「それはね、大利根博士にぜひ会ってくださいって。そして大利根博士の体に、なにか変ったことがあるかないか、ぜひともそれを調べておいてくださいって、いってましたよ」
「ふん、ふん。大利根博士に会えというんだな。そして博士の体に変ったことがないか調べてみろといったんだね。うむ、よくわかった。やっぱり帆村君は、なかなかの名探偵らしいぞ」
と、塩田大尉はなにごとかをひとりでもってしきりに感心していました。なにか大尉の胸におもいあたることがあるのでしょう。
一彦少年の
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