低空にうつりました。
2
一彦たちの頭上を旋回しながら、しだいしだいに高度を低くして来る尻尾《しっぽ》の赤い飛行機から、やがて人間と荷物とのつながったものが空中へぽいと放り出されました。
「おや、なんだろう」
と、炭やき爺さんは、まぶしそうに目をぱちぱちしながら、天を仰いでいます。
「あっ、落下傘だ。塩田大尉は落下傘でおりて来るんだぜ。ああすごいなあ」
といっているうちに、ぱっと空中に大きな真白な花傘がひらきました。三百メートルほどの低空です。人間の重みで、傘はぶらんぶらんとゆれています。
落下傘はどんどん下におりて来ました。風の流れる方向をみさだめてあったものとみえ、じつにたくみに一彦たちのいるところへ、静かにまいさがってまいります。
「爺さん。僕、起きたい、起きたい」
「まあ、そうむりをいうちゃならねえ。お前は怪我しているということを、忘れちゃいけねえぞ」
そういううちに、塩田大尉のぶらさがっている落下傘は、ぐんぐん下におりて、一彦たちの頭上を越し、その奥の山腹にどさりと着陸いたしました。大尉はもんどりうって、山腹にころげるとみましたが、とたんに落下傘をゆわ
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