。僕たちは、人間狩に出て来た火星人を生けどりにしたと言うんで、たいへんほめられたね。ところが、あの火星人という奴は、僕たちが投綱でひっくくってみれば、足はぬけるし、首もぬけちまうしさ、胴中ばかりみたいになって、ごろごろころげ出したろう」
「そうだ、そうだ。そうして戦車にぶつかって、火星人の胴は、こなごなにこわれてしまったんだ」
「うん、その時、あのゴムだこみたいなへんなものが、胴の中からころがり出したんだが、あれは一体何だろうねえ」
「あれは火星人のはらわただよ。きっとそうだ」
「おかしいなあ。はらわたなら、ぐにゃぐにゃしているはずじゃないか。僕は、はっきり、みたんだけれど、ゴムだこは干物みたいだったぜ。そうして、僕の目には、その干物みたいなものに、たしかに首がついていたように見えた。首だけではない、大きな目がついていたよ」
「そうかしら。そんなばかばかしいことはないだろう。はらわたに首があったり、目があったり……」
「でも、たしかにそうだったんだから仕方がないよ。だから、不思議だと言うんだ」
「そうかなあ。ほんとうかなあ。ほんとうだとすると、なるほど、これは不思議だ。胴中から首があるものが飛びだすなんて」
「ああ、わかった、わかった。じゃあ、それは、火星人の子供なんだよ。ひきころされた火星人の腹の中に、その子供がいたんだ」
「子供? 子供なら、やはりぐにゃぐにゃしていなきゃあならない。あれは、干物のようにこちこちだったよ。子供じゃないだろう」
「そんなことを言うと、ますますわけがわからなくなるじゃないか」


   39[#「39」は縦中横] 秘密とける日


 火星人の胴がばらばらになって、その中から飛びだした不思議なゴムだこのようなものの正体について、三人の小学生はたいへん知りたがったが、彼らの仲間では、ついにそれをとく力がなかった。
 その前に、新田先生たちが、火星人の首がぽろりと落ちることを発見している。これも全くわけのわからないことだ。
 一体火星人は、どんな体を持っているのであろうか。火星人は鉄の体を持ち、そうして首がはなれ、手足がはなれ、それから胴中がわれて、へんなゴムだこみたいなものが飛びだす。何ということであろう。人間の知識では、火星人の体の秘密について、いくら答えを出そうとしても、それを出す力がないのではなかろうか。
 まず、その通りであった。
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