が見え、それからついに原子核《げんしかく》と、そのまわりをまわっている自由電子の群が見えます。それは今の世の中において、一番小さな世界ですよ」
 博士が、はじめてこれから案内する世界のことを説明した。
 たんぽぽの花びらの細胞《さいぼう》らしいものが見えた。それがどんどん拡大されていって、やがて大小の球がたくさん見えるようになった。それがもっともっとのびていって、球の大きさが大きくなり、そして数が減《へ》った。
 やがてまん中に、動かない小さな塊《かたまり》が一つあらわれ、そのまわりを小さい球が一つぐるぐるとまわっている。
「おや、これはなにかしらん」
「それは水素の原子です。まん中のが水素の原子核です。陽子《ようし》ともいいます。そのまわりをまわっているのが電子です。電子は世の中でいちばん軽いものです」
「ずいぶん小さい世界へきたものだなあ」
「そのお隣《とな》りに、すこしちがった原子がありますよ。これがそうです」
 樽ロケットが隣りへ動くと、こんどはそこに、まん中に一つの動かない塊《かたまり》があり(水素の核《かく》よりも十数倍大きい)、そのまわりに八個の小さい球(電子だ)が、ぐる
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