へん先を急いでいますね。それでは、すぐでかけましょう。今日は、のぞき窓をあけますから、その窓から外を見ているとよろしいです」
 博士は、二人の席の前に、一つずつ丸い窓をひらいてやった。もちろんガラスがはまっていた。その窓から外を見ると、樽ロケットのまわりをとりかこんでいるれんげ草やたんぽぽのまっさかりの野原が見えた。
「さあ、でかけます。どこへいくのか、窓からよく見ているとおもしろいです」
 博士は操縦席について樽ロケットをしずかに進ませはじめた。
 ふしぎなことが起った。窓から見ている花がだんだん大きくなっていった。樽ロケットが花に近づいているにはちがいないが、それだけともちがう。やがて一つのたんぽぽの花が窓いっぱいにひろがった。
「おやおや、顕微鏡をのぞいているようだ」
 東助はふしぎがった。
 花は、もっともっと大きくなった。花べんが窓いっぱいになった。それからもっと大きくなって、花べんのつけ根のところにとまっている水玉が、窓一ぱいにひろがった。
「まあ、きれいだこと。顕微鏡で見た世界の中へはいっていくのね」
「そうです。物質の中へはいっていくのです。今に分子が見え、それから原子
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