ふしぎ国探検
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)やけ野原《のはら》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)操縦|桿《かん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)発見したというあれ[#「あれ」に傍点]でしょう」
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夏休の宿題
やけ野原《のはら》を、東助《とうすけ》とヒトミが、汗をたらしながら、さまよっていた。夏のおわりに近い日の午後のことで、台風《たいふう》ぎみの曇《くも》り空に、雲の行き足がだんだん早くなっていく。
東助少年は手に捕虫網《ほちゅうあみ》をもち、肩からバンドで、毒ビンと虫入れ鞄とを下げていた。ヒトミの方は、植物採集用のどうらんを肩から紐《ひも》でつっていた。この二人の少年少女は同級生であるが、夏休みの宿題になっている標本がまだそろわないので、今日はそれをとりにきたわけだった。
東助の方は、今日はどうしても、しおからとんぼか、おにやんまを、それからどんな種類でもいいから、あげはのちょうを捕る決心だった。ヒトミの方は、ぜひ、かや草と野菊とをさがしあてたいとおもってい
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