よけいに寒かったのだろう。しかし、やっと暖かくなってありがたい。冬がなければ春のありがた味はわからん。万事はみんな相対的だ。みんな面白いと思えば面白いし、ツマらんと思えばツマらん。面白いと思えた方が生きているには徳だから、なるべく面白がって生きるにしかず。
▼もはや一切の矛盾や不合理も気にならん。俳句の形式も気にならん。好き勝手放題、ノンノンズイズイと生きることだ。 (「生理」年代不明)
入力者注1:文中に出る人名について以下にまとめる。
(1) 惟然坊
惟然(いぜん)は、美濃国関町の俳匠。本名広瀬源之丞。別号は素牛、梅花仏、湖南人、風羅堂など。元禄2年妻子を捨てて芭蕉門下に入り、京都に移る。元禄7年、『藤の実』を刊行。芭蕉の供をして諸方を行脚し、翁最後の際にも側に侍し看護に当たった。秋挙編の『惟然坊句集』(文化9年刊)がある。(金園社発行「俳句人名辞典」を参照した。)
(2) 西谷
西谷勢之介のこと。1897−1932。詩人。奈良生れ。別号碧落居、更然洞。学歴不明。「福岡日日」の記者など流転の生活を続け、大正12年大阪で「風貌」を主宰、ブレイク、千家元麿の影響をうけた詩が認めら
前へ
次へ
全6ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
辻 潤 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング