心合体して、太陽はこれからかがやこうとの新しい希望を万民に抱《いだ》かせるほどの御実行をあげさせられるようにしたい。それには、非常な決心を要する。眼前にある些少《さしょう》の故障を懸念《けねん》して、この遷都の機会をうしなったら、この国の大事もついに去るであろう――実際、こんなふうに言わるるほどの高い潮《うしお》がやって来ていた。
一緒に街道を踏んで峠を降りて行く延胤に言わせると、遷都の説はすでに一、二の国学者先輩の書きのこしたものにも見える。それがここまで来て、言わば東幸の形で遷都の実をあげる機運を迎えたのだ。これには伊之助も耳を傾けていた。
一同の行く先は言うまでもなく中津川の本陣である。ちょうど半蔵の友人景蔵も、香蔵も、共に京都の方から帰って来ているころで、景蔵の家には、めずらしく親しい人たちの顔がそろった。そこには落合から行った半蔵の弟子《でし》勝重《かつしげ》のような若い顔さえ見いだされた。そしてその東美濃の町に延胤を迎えようとする打ちくつろいだ酒盛《さかも》りがあった。その晩は伊之助もめずらしく酔って、半蔵と共に馬籠をさして帰って来たころは夜も深かった。
三か月ほ
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