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宿村へ仰せ渡され候書付
「方今の御時勢、追い追い伝聞いたしおり申すべく候《そうら》えども、上方辺《かみがたへん》の騒動容易ならざる事にこれあり、右残党諸所へ散乱いたし候につき、御関所においてもその取り締まり方、御老中より御話し相成りし次第に候。なおまた、中山大納言殿御嫡子(忠光)の由に申し立て、浪人数十人召し連れ、御陣屋向きに乱暴いたし候ものこれあり、御取り締まり方、国々へ仰せ出されよとのお触れもこれあり候。加うるに、薩州長州においては夷船《えびすぶね》打ち払い等これあり、公辺においてもいよいよ攘夷御決定との趣にも相聞こえ、内乱|外寇《がいこう》何時《なんどき》相発し候儀も計りがたき時節に候。木曾の儀、辺土とは申しながら街道筋にこれあり候えば、もはや片時も油断相成りがたく、宿村役人においてもかかる容易ならざる御時勢をとくと弁別いたされ、申すにも及ばざる儀ながら木曾谷|庄屋《しょうや》問屋《といや》年寄《としより》などは多く旧家筋の者にこれあり候につき、万一の節はひとかどの御奉公相勤め候心得にこれあるべく候。なお、右のほか、帯刀御免の者、ならびに旧家の者などへもよくよ
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