置かれるとある。ただし、右はお回《まわ》し金《きん》として、その利息にて年々各宿の不足を補うように心得よともある。別に、三人は請書《うけしょ》を出せと言わるる三通の書付をも公用人から受け取った。それには十一宿あてのお救いお手当て金下付のことが認《したた》めてあって、駿河《するが》佐渡《さど》二奉行の署名もしてある。
 木曾地方における街道付近の助郷が組織を完備したいとの願いは、ついにきき入れられなかった。三人の庄屋は定助郷設置のかわりに、そのお手当てを許されただけにも満足しなければならなかった。その時、庄屋方から差し出してあった人馬立辻帳《じんばたてつじちょう》、宿勘定仕訳帳等の返却を受けて、そんなことで屋敷から引き取った。
「どうも、こんな膏薬《こうやく》をはるようなやり方じゃ、これから先のことも心配です。」
 両国の十一屋まで三人一緒に戻《もど》って来た時、半蔵はそれを言い出したが、心中の失望は隠せなかった。
「半蔵さんはまだ若い。」と幸兵衛は言った。「まるきりお役人に誠意のないものなら、一|文《もん》だってお手当てなぞの下がるもんじゃありません。」
「まあ、まあ、これくらいのとこ
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