れなかったら、前年の総代が申し合わせたごとく、お定めの人馬二十五人二十五|疋《ひき》以外には継立《つぎた》てに応じまい、その余は翌日を待って継ぎ立てることにしたい。そのことに平助と半蔵とは申し合わせをしたのであった。
時も時だ。西にはすでに大和《やまと》五条の乱があり、続いて生野銀山《いくのぎんざん》の乱があり、それがようやくしずまったかと思うと、今度は東の筑波山《つくばさん》の方に新しい時代の来るのを待ち切れないような第三の烽火《のろし》が揚がった。尊王攘夷《そんのうじょうい》を旗じるしにする一部の水戸の志士はひそかに長州と連絡を執り、四月以来反旗をひるがえしているが、まだその騒動もしずまらない時だ。
両国をさして帰って行く平助を送りながら、半蔵は一緒に相生町《あいおいちょう》の家を出た。不自由な旅の身で、半蔵には郷里の方から届く手紙のことが気にかかっていた。十一屋まで平助と一緒に歩いて、そのことを隠居によく頼みたいつもりで出た。
「平助さん、筑波《つくば》が見えますよ。」
半蔵は長い両国橋の上まで歩いて行った時に言った。
「あれが筑波ですかね。」
と言ったぎり、平助も口
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