な》くなつた人の弔辞《くやみ》を述べた。
 四人は早く発《た》つた。朝じめりのした街道の土を踏んで、深い霧の中を辿《たど》つて行つた時は、遠近《をちこち》に鶏の鳴き交す声も聞える。其日は春先のやうに温暖《あたゝか》で、路傍の枯草も蘇生《いきかへ》るかと思はれる程。灰色の水蒸気は低く集つて来て、僅かに離れた杜《もり》の梢《こずゑ》も遠く深く烟《けぶ》るやうに見える。四人は後になり前になり、互に言葉を取交し乍ら歩いた。就中《わけても》、弁護士の快活な笑声は朝の空気に響き渡る。思はず足も軽く道も果取《はかど》つたのである。
 東上田へ差懸つた頃、蓮太郎と丑松の二人は少許《すこし》連《つれ》に後《おく》れた。次第に道路《みち》は明くなつて、ところ/″\に青空も望まれるやうに成つた。白い光を帯び乍ら、頭の上を急いだは、朝雲の群。行先《ゆくて》にあたる村落も形を顕《あらは》して、草葺《くさぶき》の屋根からは煙の立ち登る光景《さま》も見えた。霧の眺めは、今、おもしろく晴れて行くのである。
 蓮太郎は苦しい様子も見せなかつた。この石塊《いしころ》の多い歩き難い道を彼様《あゝ》して徒歩《ひろ》つても可《
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