やうにして、少年の群を離れた。
今朝の大霜で、学校の裏庭にある樹木は大概落葉して了《しま》つたが、桜ばかりは未だ秋の名残をとゞめて居た。丑松は其葉蔭を選んで、時々|私語《さゝや》くやうに枝を渡る微風の音にも胸を踊らせ乍ら、懐中《ふところ》から例の新聞を取出して展《ひろ》げて見ると――蓮太郎の容体は余程|危《あやふ》いやうに書いてあつた。記者は蓮太郎の思想に一々同意するものでは無いが、兎《と》も角《かく》も新平民の中から身を起して飽くまで奮闘して居る其意気を愛せずには居られないと書いてあつた。惜まれて逝《ゆ》く多くの有望な人々と同じやうに、今また斯の人が同じ病苦に呻吟《しんぎん》すると聞いては、うたゝ同情の念に堪へないと書いてあつた。思ひあたることが無いでもない、人に迫るやうな渠《かれ》の筆の真面目《しんめんもく》は斯うした悲哀《あはれ》が伴ふからであらう、斯ういふ記者も亦《ま》たその為に薬籠《やくろう》に親しむ一人であると書いてあつた。
動揺する地上の影は幾度か丑松を驚かした。日の光は秋風に送られて、かれ/″\な桜の霜葉をうつくしくして見せる。蕭条《せうでう》とした草木の凋落《てう
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