》でも應《おう》でも飛《と》ばなければ成《な》りませんでした。その時《とき》になつて、初《はじ》めて雄鷄《おんどり》の羽《はね》が動《うご》いて來《き》ました。そして餌《え》らしい餌《え》にありつきました。
雄鷄《おんどり》はこの林《はやし》へ飛《と》びに來《き》て見《み》て、鷹《たか》があんな高《たか》い空《そら》を舞《ま》つて歩《ある》くのも、自分《じぶん》で餌《え》を見《み》つけに行《い》くのだといふことを知《し》りました。
三六 たなばたさま
三|月《ぐわつ》、五|月《ぐわつ》のお節句《せつく》は、樂《たの》しい子供《こども》のお祭《まつり》です。五|月《ぐわつ》のお節句《せつく》には、父《とう》さんのお家《うち》でも石《いし》を載《の》せた板屋根《いたやね》へ菖蒲《しやうぶ》をかけ、爺《ぢい》やが松林《まつばやし》の方《はう》から採《と》つて來《く》る笹《さゝ》の葉《は》で粽《ちまき》をつくりました。七|月《ぐわつ》になりますと、又《また》、たなばたさまのお祭《まつり》の日《ひ》が山《やま》の中《なか》の村《むら》へも來《き》ました。
たなばたさまのお祭《まつり
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