《はな》してきかせました。
二 五木《ごぼく》の林《はやし》
太郎《たらう》よ、次郎《じらう》よ、お前達《まへたち》は父《とう》さんの生《うま》れた山地《やまち》の方《はう》のお話《はなし》を聞きたいと思《おも》ひますか。
檜木《ひのき》、椹《さはら》、明檜《あすひ》、槇《まき》、※[#「木+鼠」、第4水準2−15−57]《ねず》――それを木曾《きそ》の方《はう》では五木《ごぼく》といひまして、さういふ木《き》の生《は》えた森《もり》や林《はやし》があの深《ふか》い谷間《たにあひ》に茂《しげ》つて居《ゐ》るのです。五木《ごぼく》とは、五《いつ》つの主《おも》な木《き》を指《さ》して言《い》ふのですが、まだその他《ほか》に栗《くり》の木《き》、杉《すぎ》の木《き》、松《まつ》の木《き》、桂《かつら》の木《き》、欅《けやき》の木《き》なぞが生《は》えて居《ゐ》ます。樅《もみ》の木《き》、栂《つげ》の木《き》も生《は》えて居《ゐ》ます。それから栃《とち》の木《き》も生《は》えて居《ゐ》ます。太郎《たらう》や次郎《じらう》は一|度《ど》父《とう》さんに隨《つ》いて、三郎《さぶらう
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