ころへも一|册《さつ》[#ルビの「さつ」は底本では「さい」]送《おく》りたいと思《おも》ひます[#「ます」は底本では「すま」]。
父《とう》さんはこの少年《せうねん》の讀本《とくほん》を書《か》かうと思《おも》ひ立《た》つた頃《ころ》に、別《べつ》につくつて置《お》いたお話《はなし》が一つあります。それは『兄弟《きやうだい》』のお話《はなし》です。それをこの本《ほん》の後《のち》に添《そ》へようと思《おも》ひます。
こゝにそのお話《はなし》があります。
早《はや》く眼《め》がさめても何時《いつ》までも寢《ね》て居《ゐ》るのがいゝか、遲《おそ》く眼《め》がさめてもむつくり起《お》きるのがいゝか、そのことで兄弟《きやうだい》が爭《あらそ》つて居《ゐ》ました。
そこへこの兄弟《きやうだい》の祖父《おぢい》さんが來《き》まして、
『まあ、お前達《まへたち》は何《なに》をそんなに爭《あらそ》つて居《ゐ》るのです。』
と尋《たづ》ねました。
兄《あに》が言《い》ふには、
『祖父《おぢい》さん、私《わたし》は早《はや》く眼《め》がさめました。そのかはり何時《いつ》までも寢《ね》て居《ゐ》ました。弟《
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