》ふ生徒《せいと》がありました。近《ちか》いところから通《かよ》ふ他《ほか》の生徒《せいと》と違《ちが》ひまして、子供《こども》の足《あし》で毎日《まいにち》峠《たうげ》の上《うへ》から通《かよ》ふのはなか/\骨《ほね》が折《お》れました。でも、この生徒《せいと》は家《うち》から學校《がくかう》まで歩《ある》いて行《ゆ》く路《みち》が好《す》きで、降《ふ》つても照《て》つても通《かよ》ひました。
寒《さむ》い、寒《さむ》い日《ひ》に、この生徒《せいと》が遠路《とほみち》を通《かよ》つて行《ゆ》きますと、途中《とちう》で知《し》らないお婆《ばあ》さんに逢《あ》ひました。
『生徒《せいと》さん、今日《こんち》は。』
とそのお婆《ばあ》さんが聲《こゑ》を掛《か》けました。お婆《ばあ》さんは通《とほ》り過《す》ぎて行《い》つてしまはないで、
『生徒《せいと》さん、今日《けふ》も學校《がくかう》ですか。この寒《さむ》いのに、よくお通《かよ》ひですね。毎日々々《まいにち/\》さうして精出《せいだ》して下《くだ》さると、このお婆《ばあ》さんも御褒美《ごほうび》をあげますよ。』
と言《い》ひました。

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