た》を腰《こし》に差《さ》しまして、木《き》の枝《えだ》をおろすために林《はやし》の方《はう》へと出掛《でか》けました。
山《やま》の中《なか》へ來《く》る冬《ふゆ》は、斯《か》うして冬《ふゆ》ごもりの支度《したく》にかゝる爺《ぢい》やのところへも、『シヨクノ』の遊《あそ》びに夢中《むちう》になつて居《ゐ》る父《とう》さん達《たち》のところへも一|緒《しよ》にやつて來《き》ました。
黒《くろ》い枯枝《かれえだ》や黒《くろ》い木《き》の見《み》えるお家《うち》の裏《うら》の桑畠《くはばたけ》の側《わき》で、毎朝《まいあさ》爺《ぢい》やはそこいらから集《あつ》めて來《き》た落葉《おちば》を焚《た》きました。朝《あさ》の焚火《たきび》は、寒《さむ》い冬《ふゆ》の來《く》るのを樂《たの》しく思《おも》はせました。

   五○ 木曾《きそ》の燒米《やきごめ》

木曾《きそ》の燒米《やきごめ》といふものは青《あを》いやわらかい稻《いね》の香氣《にほひ》がします。
『お師匠《ししやう》さまが好《す》きだから。』
と言《い》つて、お勇《ゆう》さんの家《うち》からも、つきたての燒米《やきごめ》をよく祖
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