はやり》がありまして、一頃《ひところ》『シヨクノ』が村中《むらぢう》に流行《はや》りました。どこの田圃側《たんぼわき》へ行《い》つて見《み》ても、どこの畠《はたけ》の隅《すみ》へ行《い》つて見《み》ても、子供《こども》といふ子供《こども》の集《あつ》まつて居《ゐ》るところでは、その遊《あそ》びが始《はじ》まつて居《ゐ》ました。
枯々《かれ/″\》とした裏庭《うらには》に出《で》て、父《とう》さん達《たち》は『シヨクノ』の遊《あそ》びにする細《こまか》い木《き》を探《さが》したり、それを手《て》ごろの長《なが》さに切《き》つたり、地《ぢ》べたへよく打《う》ちこめるやうに先《さき》の方《はう》を尖《とが》らせたり、時《とき》にはもう幾度《いくたび》か勝負《しやうぶ》[#ルビの「しやうぶ」は底本では「やうぶ」]をした揚句《あげく》に土《つち》のついて齒《は》のこぼれたやつを削《けづ》り直《な》したりして遊《あそ》びました。父《とう》さん達《たち》がそんな子供《こども》らしいことをして居《ゐ》る間《ま》に、爺《ぢい》やはまた木曾風《きそふう》な背負梯子《しよひばしご》を肩《かた》にかけ、鉈《な
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