《はう》の鳥屋《とや》へ遊《あそ》びに行《い》つた時《とき》のことをお話《はなし》しませう。
鳥屋《とや》は小鳥《ことり》を捕《と》るために造《つく》つてある小屋《こや》のことです。何方《どつち》を向《む》いても山《やま》ばかりのやうなところに、その小屋《こや》が建《た》てゝあります。屋根《やね》の上《うへ》は木《き》の葉《は》で隱《かく》して、空《そら》を通《とほ》る小鳥《ことり》の眼《め》につかないやうにしてあります。その小屋《こや》の周圍《まはり》に、細《ほそ》い丈夫《ぢやうぶ》な糸《いと》で編《あ》んだ鳥網《とりあみ》の大《おほ》きなのが二つも三つも張《は》つてあるのです。網《あみ》を張《は》つた高《たか》い竹竿《たけざを》には鳥籠《とりかご》が掛《かゝ》つて居《ゐ》ました。その中《なか》には囮《をとり》が飼《か》つてありまして、小鳥《ことり》の群《むれ》が空《そら》を通《とほ》る度《たび》に好《い》い聲《こゑ》で呼《よ》びました。
『もし/\、鶫《つぐみ》さん。』
この囮《をとり》になる鳥《とり》の呼聲《よびごゑ》は、春先《はるさき》から稽古《けいこ》をした聲《こゑ》ですから
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