げん》の姿《すがた》を作《つく》れり、不可見の苦繩人間の手足を縛せり[#「不可見の苦繩人間の手足を縛せり」に白丸傍点]、不可聞の魔語人間の耳朶を穿てり[#「不可聞の魔語人間の耳朶を穿てり」に白丸傍点]、信仰《しんこう》なきの人《ひと》、自立《じりつ》なきの人《ひと》、寛裕《かんゆう》なきの人《ひと》、往々《おう/\》にして極めて愍《あは》れむべき悲觀《ひかん》に陷《おちい》ることあるなり、之《これ》に加《くわ》ふるに頑愚の迷信あり[#「頑愚の迷信あり」に白丸傍点]、誤謬の理論あり[#「誤謬の理論あり」に白丸傍点]、惑溺の癡心あり[#「惑溺の癡心あり」に白丸傍点]、無憑の恐怖あり[#「無憑の恐怖あり」に白丸傍点]、盲目の驕慢あり[#「盲目の驕慢あり」に白丸傍点]、涯なき天と底なき地の間に[#「涯なき天と底なき地の間に」に白丸傍点]
[#ここから2字下げ]
What a poor wretched creature as I am,
Creeping between heaven and earth.
[#ここで字下げ終わり]
と絶叫《ぜつけふ》するもの、豈《あに》ハムレツトのみならんや。
前へ
次へ
全14ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
北村 透谷 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング