赦のない暴露で、見る/\別な一つのうねり[#「うねり」に傍点]のような動きに押され出した。
 電燈がついた。薄暗がりの中に、たゞ灰一色に充満していた職工たちが――その集団が――悍しい肩と肩が、瞬間にクッキリと躍《おど》り上った。誰かゞ、
 ――そら、電燈がついたぞ!
 と云った。
 その意味のない言葉は、然し皆の気持ちを急にイキ/\とさせた。

 結束[#「結束」に傍点]はアこの時ぞ。

 突然四五人が足踏みをして歌い出した。バアーを飲み歩いている職工たちは、誰でもその歌位は知っていた。それが今少しの無理もなく口をついて出たのだ。皆が一斉にその方を見たので、彼等は少してれたように、次の歌が澱んだ。然し、太い揃わない声が続いた。

 卑怯者去らばア去れエ。

 森本が壇に上ったのは一番後だった。彼は何も云う必要がなかった。たゞ用意していた「決議文」と「要求書」の内容を説明して、皆の承諾を得ればよかったのだ。これ等のあらゆる細かい処に、河田たちの用意が含まっていた。
 彼がまだ云い終らないうちだった。激しい云い争いが下の階段に起った。――職工は一度に腰掛けを蹴《け》った。一つの勢いを持った
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