っと通ずるようになったので、劉万戸は急に出発することになった。
 世高は秀英といっしょに劉万戸に随いて上京しようとした。車に乗る時になって、劉万戸は秀英ばかりを乗せて、世高が乗ろうとすると遮った。
「お前のような者は、だめだ」
 秀英は車の上から手を出して世高に取りついて泣いた。世高も決して離れまいとした。
「俺の家は、代々無位無官の者を婿にしたためしがない、女がほしいなら、読書して、高科にのぼるがいい」
 劉万戸はこう言って世高を恥かしめてから車を出した。世高はそこに立って男泣きに泣いていたが、そのまま女と別れることができないので、その車の往った路と思われる路を通って、京師へのぼって往った。
 劉万戸は大いに用いられて声勢赫奕《せいせいかくえき》というありさまであった。世高は京師へ往ったことは往ったが、秀英の傍に寄りつけないので、旅館に入って秀英に遇うことばかり考えていた。
 そのうちに旅費もなくなってひどく困ってきた。それはもう歳の暮で、街には雪が降っていた。世高は何の目的《めあて》もなくその街をとぼとぼ歩いていると、前方《むこう》から一人の老婆が酒壷《さけどくり》を持ってきたが、
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