できた。それに自分のために世高が死んでいるのに、自分独りが生きてはいられないと思った。彼女は鞦韆の索を枝に結えなおして泣いた。
了鬟《じょちゅう》の春嬌はねぼうであったし、その晩は早くから秀英の許可を受けて寝ていたので、変事のあったことは知らなかった。それに毎朝秀英に起されて起きるようになっている春嬌は、その朝は起してがないのでいつまでも眠っていると、夫人が秀英の顔を洗う湯を取って楼上へあがってきた。
春嬌はその夫人の声ではじめて眼を覚ました。夫人は春嬌にこごとを言ってから秀英の臥牀《ねどこ》へ往った。臥牀には秀英の姿が見えなかった。夫人はそこで春嬌に秀英のことを訊いたが、春嬌には判らなかった。
夫人は下へおりて往った。花園の中の棲雲石の上には若い男が横たわっており、老樹の枝には秀英が縊《くび》れていた。夫人は狂人のように走って往って、秀英の体を抱きあげた。
「早く、これを、これを」
春嬌もそれとみて傍へ走って往ったが、どうしていいか判らなかった。夫人は春嬌を叱りとばしてその索を解かし、秀英を下へおろして体を撫でたり、口に気息《いき》を吹き込んだりしたが蘇生しなかった。
夫
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