軽をなす。因って公卿将士、尽く門下に奔走す。估計※[#「夕/寅」、第4水準2−5−29]縁《こけいいんえん》、儼《げん》として負販《ふはん》の如く、息を仰ぎ塵を望む、算数すべからず。或は傑士賢臣、肯《うなず》いて阿附《あふ》せざる有《あ》れば、軽ければ則《すなわ》ち之を間散《かんさん》に置き、重ければ則ち褫《うば》いてもって氓《みん》を編す。甚しきは且つ一|臂袒《ひたん》せざれば、輒《すなわ》ち鹿馬の奸に※[#「二点しんにょう+午」、第4水準2−89−82]《あ》いて、遠く豺狼《ひょうろう》の地に竄《ざん》せられ、朝士之がために寒心す。また且つ平民の膏腴《こうゆ》、肆《ほしいまま》に貪食するに任す。良家の女子、強いて禽妝《きんしょう》を委して、※[#「さんずい+診のつくり」、184−16]気冤氛《れいきえんふん》、暗く天日無し。奴僕《どぼく》一たび到れば、則ち守令顔を承《う》け、書函一たび投ずれば、則ち司院法を枉《ま》ぐ。或は廝養《しよう》の児、瓜葛《かかつ》の親有れば則ち伝に乗じ、風行雷動す。地方の供給|稍《やや》遅くして、馬上の鞭撻立所に至る。人民を荼毒《とどく》し、官府を奴隷にし
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