わ》つて了つたのだ。
立つたり蹲んだりしてる間《うち》に、何がなしに腹部《はら》が脹つて来て、一二度軽く嘔吐を催すやうな気分にもなつた。早く帰つて寝よう、と幾度《いくたび》か思つた。が、この歓楽の境地《さかひ》に――否、静子と共に吉野を一人置いて行くことが、矢張快くなかつた。居たとて別に話――智恵子は今日の出来事を詳しく話したかつた――をする機会もないが、矢張一寸でも長く男と一緒にゐたかつた。
軈《やが》て、下腹部《したはら》の底が少し宛《づつ》痺れる様に痛み出した。それが段々烈しくなつて来る。
隙《すき》を見て、智恵子は思ひ切つてツト男の傍《そば》へ寄つた。
『私、お先に帰ります。』
『其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《そんな》に悪くなりましたか?』
『少許《すこし》……少許ですけれどもお腹がまた痛んでくる様ですから。』
『可《い》けませんねえ! 怎うです加藤|様《さん》に被行《いらし》つたら?』
『否《いいえ》、ホンの少許《すこし》ですから……アノ、明日でも被来《いらし》つて下さいませんか? 何卒《どうぞ》。』
『行きます、是非
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